社会エコロジー/スクリーンエコロジー

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スマートフォンに関する多くの調査では、個人とデバイス、一人と一つという関係性に焦点が置かれています。しかし適切にスマートフォンを理解するためには、人数も数量もより広げて考える必要があります。スマートフォンは、タブレットやノートPC、スマートテレビといったエコロジーの中にあります。ネットバンキングをスマートフォンで行う人もいれば、パソコンでしかしない人もいます。ほとんどの人がスマートフォンでする作業をタブレットでしたいという人もいます。こういった状況を、私たちはスクリーンエコロジーと呼んでいます。

さらには、まだ自分の端末を持っていない子供が親から借りるというように、スマートフォンを共有したり貸し借りしたりすることがあります。あるいは、ほとんど妻にやってもらっているので自分ではスマートフォンをあまり使わないという夫もいます。こうした社会エコロジーの典型例には、ウガンダのカンパラでのフィールドワークで出会いました。ここでは複数人でひとつの携帯電話を共有しているケースが多く見られます。ナキトと彼女の息子(写真の女性と後ろの男性)は1台のスマートフォンを共有していて、週ごとに交替で使っています。

下図に示すように、上海の高齢者層では、夫婦間で特定のアプリがどちらか一方の端末にしか入っていないという現象が見られます。これは、夫婦が互いの端末を使い合っているためです。

 

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